石川県かほく市のぶどう生産者 大田ぶどう園 大田様に
ポータブルセットをお使いいただいています。
大田様は石川県のオリジナル品種“ルビーロマン”の生産者で、
その規格基準を決定する組織「ルビーロマン研究会」の会長。
ルビーロマンは、その名のとおり美しい赤色の果皮を持つ大粒のぶどう。
農業試験場の研修を受け、その生産技術を認められた生産者だけが
栽培することができる希少価値の高い品種です。
昨年の初せりで一房100万円の高値がついたことでも
知られています。
「もともとは育苗用にポータブルセットを購入しました。
育苗が終わってからは、ルビーロマンのかん水に使っています。
出荷できるルビーロマンは1粒3cm以上、一房が300~600gのものだけ。
房の間に一粒でも隙間があったら出荷できません。
出荷の規定を満たし、むらの無い赤色の果皮になるまでの育成管理は
本当に難しい。とりわけ重要なのが水分管理。
葉と実に十分な水分がいきわたるように、樹の状態をみながら
かん水を行う必要があります。」
「ポータブルセットは水道水源で使用できるので、樹が水を
欲しがっているとき、すぐにかん水ができます。
樹の状態はそれぞれ違うので、水が必要な樹だけにかん水できるよう
コックを取り付けました。水が地上から40~50cmくらいの高さで
飛ぶので、実にかかることもありません。
メンテナンスも簡単で、具合の悪い箇所だけを取り替えることができるので便利ですね。」
「ルビーロマンが誕生して今年で10年。赤色の果皮と芳醇な味わいは、
何年にもわたる研究の結果出来上がりました。
誕生当初からルビーロマンの生産に携わっていますが、今も試行錯誤しながら
作っている状態です。
私がしているのは、百姓ではなく“農業”。不要な手間を省き、計画的に
生産管理をするため、便利な資材は取り入れて、新しいことにも挑戦していく。
これからも生産者、流通業者、農業試験場などが
連携して、ルビーロマンの価値を守っていきます。」
大田様、ご協力誠にありがとうございました。
取材協力:株式会社JAアグリライン石川